2018-01-01から1年間の記事一覧
国民意識や輿論の形成は教育に如くはなく、国家が意図的に特定思想注入や矯正を行う例は枚挙に遑がない。戦前の日本の天皇絶対・軍国主義教育は言わずもがな、現代中国の愛国教育や北朝鮮の主体思想等人権の侵害や無視を伴うが、その効果は顕著である。しか…
人を戦争へと駆り立てる要因は一つではない。しかし平和への道はただ一つ、話し合うことだ。 日本国憲法はアメリカの押し付けと言われるが、私は憲法9条、平和主義への起源は、ドイツの哲学者カントが書いた「永遠平和のために」の中にあると考えている。300…
日本大学のラクビー部の顧問が矢面に立たされている。事の発端は今月6日の関西学院大学との定期戦で起こった。日本代表候補にも選ばれ、将来が有望される日大の選手が監督から「最初のプレーで相手に怪我をさせろ」と指示を受け、その指示に従った選手はその…
2015年に公職選挙法が改正され、満18歳以上に選挙権が付与され、これにより一部の高校生が新たに有権者となった。これは国民の制度的政治参加を拡大する政治政策改革として肯定的に評価できるものであったと思う。しかし、民衆の政治参加拡大の世界史的展開…
ここ最近なってアクティブラーニングという言葉を聞く機会が増えた。アクティブラーニング(Active learning)とは文字どおり、アクティブに学ぶ、言い換えれば学習者である生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授…
世の中にはしてはならないと言われることがある。薬物使用や売春、自殺などである。最近街を歩いていると、薬物使用の恐ろしさを訴えるポスターを頻繁に見かけるようになった。内閣府や警視庁が出すJKビジネスへの警告チラシには「絶対やっちゃダメ」の言葉…
私が大学生の頃、ある教授から一人の男子学生を紹介された。その教授は東日本大震災が起こって以降、頻繁に東北へ足を運び、積極的にボランティア活動をしていた。その活動中に当時福島で大学生活を送っていた彼と知り合い、教授の勧めでうちの大学に編入し…
カジノ法が賛成多数で可決されてからしばらくが経った。経済学者の多くはカジノを含めた統合型リゾートの建設に前向きで、そこから得る多大な経済効果に希望を抱いているようだ。一方で、外国人観光客を呼び込むための成長戦略だとする自民党の暴走に非難の…
新しく越してきたアパートの近くに読書カフェがある。コーヒーを頼むと店に置いてある本を読むことが許される。店には常連客の人たちが読書会を開催するなど、聞くところによると、毎週日曜日の朝は各々が好きなテーマを持ち寄って世間話をする場所にもなっ…
We woke up in Sofia, Bulgaria and attempted to go to the bus station. At first, We could not find the tram station, then we got on a tram going in the wrong direction. Haplessly We had to walk roughyly 500m and finally got to the bus stop.…
ロンブーの淳氏による青学受験が幕を下ろした。結果は不運にも合格とはならなかったが、彼が真摯に受験に挑み、それに向けて多忙な中勉強に励む様子はメディアを通して十分に我々に伝わった。「受験は闘い」、結果に笑う者あれば、泣く者もある。けれども、…
アフリカにおける食料不足と飢餓の問題について書いていきたい。といっても、アフリカが地球上で最後の未拓の地と称され、多くの人々が飢餓と貧困の下で糊口をしのいでいることはすでに皆が周知している。従って、本稿では一般的な見解から別の切り口でアフ…
私の祖父は77歳になった。ちょうど幼少期に戦後を迎えた祖父は、言ってしまえば「日本国憲法と同世代」ということになる。思想・良心の自由を掲げる憲法のもとで、様々に表現されたものを見たり、あるいは自分で創作して発表する機会を得てきた世代だ。「長…
仕事終わりの電車の中、何やら三人組の男子高生が話している声が聞こえてきた。「翁長さんの発言は支持できないね。実際のところ沖縄の人たちは米軍基地があって生活が成り立っているのだから」。私は「高校生でも政治についてしっかり考えているんだ」と関…
「これから配布する文章は世界で最も素晴らしいものだから、ぜひ知ってもらいたい」と担任の教師は目の前の生徒達に伝えた。これは今から50年ほど前、私の父が小学生だった頃の話である。先生は笑顔で、まるで面白いアニメや漫画を見るかのように、手書きの…
春の訪れを待ちわびながらちょうど去年の今頃、私は「夫婦断絶防止法」に関する講演会に参加した。この法案は、「離婚等の後も子が父母と親子としての継続的な関係を持ち、その愛情を受けることが、子の健全な成長及び人格の形成のために重要である」という…
今から2か月前、私は共謀罪が強行採決されたことを受け記事を書いた。 nextepisode.hatenablog.com 多くの民衆の意を反して少数の権力者が強引に採決した法案は、我々にこの国の政治が腐敗していることを認識させた。本稿では共謀罪の危険性について、それを…
ここ最近難民を扱うニュースが減ってきているが、海外のニュースを観ていると状況は何ら変わっていないことがわかる。紛争による大量の難民を想定していなかった従来の保護体制が限界をきたしていることは明らかである。難民というと、我々の多くは中東やア…
2015年11月13日、UNESCO総会へ参加するために滞在していたパリのホテルに「パリ市内で大規模なテロが起きた」という知らせが入った。部屋に戻りパソコンを開くと、家族や友人、大学の教員から連絡が入っており、生存確認の連絡を返した。その後、パリ市内に…
去年2017年度の失業率は23年ぶりに3%を下回り(2.8%) 、有効求人倍率は1.59と1974年1月の1.64以来44年ぶりの水準であった。高度経済成長の後半からバブル期のピークさえ抜くかのように思えたほどであった。しかし、日本が抱える人手不足は今後さらに深刻化す…
東日本大震災から7年が経とうとしている。 東北の震災3県である岩手、宮城、福島では今なお3万人もの人が仮設住宅に住み続けている。応急的であり、一時的な仮設住宅に多くの人が長く住み続けなければならないということを、我々はどのように考えているのだ…
少子高齢化で労働人口が右下がりを続ける中で「移民」という言葉を耳にする機会が増えた。そして残念なことだが、少なくともそれは欧米諸国においてネガティブな文脈で語られることが多い。フランスで起きた同時多発テロ、ブリュッセル連続テロ事件、そこで…
近年、多くの政党が教育の無償化を政策課題に掲げるようになった。おそらくそれは、他の先進国と比べ望外に高い授業料や相対的貧困率が上昇する中で、経済的に高等教育への進学を諦めざるえない人たちが出てきたことが主な要因であろうと思う。確かに教育の…
2015年6月26日、アメリカで同性婚が合憲だという判決が最高裁で下された。日本はこれ以上、LGBTの人たちの当たり前の権利を等閑視できなくなった。数日前、Yahooのトップにスペイン人女性と日本人女性がスペインで同性結婚をしたという記事が掲載されていた…
準強制性交とは、相手に薬物や酒などを飲ませて抵抗不能な状態にしたり、既にそのような状態にある相手に対し、性交を強要する行為を指す。今は準強制性交と呼ばれるが、それまでは準強姦と呼ばれていた。暴力や脅迫によって性交を強いる強姦では、身体にア…
2008年の1億2808万人をピークに日本の人口は減少に転じた。それを機に、日本ではどのようにして人口減少時代に対応するのかという議論が過熱してきたように思う。その一方で、日本が今日に直面する人口減少はもっと以前から予測ができたことは否めないだろう…
「国会議員の数が多すぎるから議員の数は減らすべきだ」といった声が近年増加傾向にあるように思う。しかもそれは一般の国民からだけではなく、国会議員及び政党からも出ているのだ。一般国民の議員削減論は、議員を国民の代表と考えていないということなの…