Nextepisode’s blog

院生(M1) 専門-開発経済/国際関係

本当に議員の数は減らすべきか?

 

国会議員の数が多すぎるから議員の数は減らすべきだ」といった声が近年増加傾向にあるように思う。しかもそれは一般の国民からだけではなく、国会議員及び政党からも出ているのだ。一般国民の議員削減論は、議員を国民の代表と考えていないということなのだろうけど、議員や政党の議員削減論は一体どういうニュアンスなのだろうか。彼らは自分以外の議員は能力不足で不要だと考えているのだろうか。

 

まず身を切る改革を、等と言って議員削減論を政策や公約に掲げる党もあるが、これなど日本以外の議会制民主主義国では異例なのではないか。消費税率が高い欧州諸国でも、だからと言って無闇に国会議員を減らしたりはしていないはずだ。それはやはり、議員が人々の代表だと社会全体が考えているからに他ならないだろう。日本ではそういう認識を持てず、逆に議員を敵だとか無駄だとかに捉えていて、とにかく議員は少なければ少ない方がいいんだ、などとしか思えないのか。

 

またどこかの政治家のトップのように、議員報酬や手当の削減を唱える主張にも私は違和感を覚える。国会議員が何万人もいるのであれば、そういう意見にも少しは意味があるのかもしれないが、たかが数百人の議員の報酬削減に何を期待しているのか。そう主張する彼らは、医療費や健康保険、財政の話になると、医療従事者の報酬削減などと真っ先に言いだすのだろうか。こちらは国会議員と比べ人数が桁違いに多いから、報酬削減にも少しの意味はあるのだろうが、しかしそういう安易で無責任で当事者以外の一般受け狙いの主張でいいのか。

 

増税議論を絡めて、増税の前にとか、増税を引き換えに国会議員削減を、というのも全く理解が困難で、幼稚な主張である。そういう意識に従えば、付加価値税が20%とかそれ以上の欧州諸国なら、議員、議会が絶滅寸前になってしまうだろう。それがまともな思考や政策か。

 

そもそも、増税をして、税収を増やし、国の関わりを大きくするのに国会議員をへらせなんて、なんとも乱暴な主張である。この種の論者は、もし減税をするのなら議員を増やせと言うのか。

 

日本の政治のレベルは選挙には強くないが、織見や技量を有する議員によって辛くも支えられているのだと私は信じている。

 

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