Nextepisode’s blog

院生(M1) 専門-開発経済/国際関係

絶えない悲しき沖縄の現状

 

今月13日の午前、沖縄のアメリカ軍普天間基地に隣接する宜野湾市の小学校のグラウンドに、飛行中のアメリカ軍の大型ヘリコプターから重さが8キロ近くある窓が落下した。窓が落下した時には学生は運動場で運動をしていて、落下地点から10m先に学生が体育の授業を行なっていた。

 

都会で聞こえてくる沖縄のイメージは「海は綺麗」、「サンゴ礁が美しい」という彼らにとって都合の良い沖縄だけが切り取られ、負の歴史を受け付けない無言の空気に息苦しさを覚える。

 

沖縄県民は中央政府の方針にいつも反発している。沖縄県では基地の前に座り込んで「ゆすり」に等しい行為で生計を立てている人もいるし、中卒率も貧困率も離婚率も高い。

 

そんな話を上司から聞かされ、彼は話の最後に「まあ沖縄でも頑張っている人はいるし一概には言えないよね」とフォローを入れた。帰り道、若い上司に連れられて立ち寄った居酒屋で「ああいう差別的な発言をする人の話は聞いた振りだけしておけばいいんだ」とアドバイスを受けた。

 

「最近まで沖縄の基地や訓練所に無断で立ち入って拘束されていた人を知っていますか?国内の刑事法学者が釈放を求めていたのですが、受け入れてもらえず、大したニュースにもならなかった一件です」、と私が尋ねると「誰それ?何か関係あるの?」と彼は答えた。

 

日本全体を覆う無関心の空気。自分が当事者にならなければ、どんな非道なことが行われていても気にせず「楽しく」生きていける鈍化した感性の正体が少しだけわかった気がした。

 

東京、大阪、愛知、日本を牽引する三大都市。大量消費地と揶揄され、経済を動かす力を持つ彼らが少数派に対して何らの関心も持たないのは危機的だと思う。アメリカでトランプ政権が誕生し「それより前から日本はアメリカファーストだった」というギャグが一時期もてはやされたが、アメリカに追従してばかりの日本政府の視野狭窄によって無視されてきた沖縄の歴史は暗く、悲しい。

 

f:id:Nextepisode:20171217002548j:image