もう一度"生きる"を考えてみる。
7月の頭にイギリス人の友人が日本に旅行に来ました。その時の記事は以下で見れます。↓
彼と再会した時に、彼は1冊の本をイギリスからお土産として持ってきてくれました。
The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity
- 作者: Lynda Gratton,Andrew Scott
- 出版社/メーカー: Bloomsbury Information Ltd
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: Kindle版
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THE 100 YEAR LIFE(100年の人生)という本です。
今回はこの本を読んだ感想と、この本に書いてある内容にかなりの部分で共感したので、要約程度に自分なりにまとめ、もう一度"これから"を考えていこうと思います。
上のグラフはアメリカ人と日本人の平均寿命の推移を表したグラフです。グラフからは様々なことが見て取れるのですが、何よりも、1950年の日本人の平均寿命は男女ともに約50歳でした。それが60年後には、男性の平均寿命は80歳まで上がり、女性に至っては80歳をかなり超えちゃっています。そして今日産まれてくる子供は110歳まで生きるなんて言われる時代になりました。
110歳というと、65歳で定年退職したとして、45年間の老後生活を送ることになるわけです。想像しただけで身震いが起きますよね。
いや、でもちょっと待ってください。
そもそも今の65歳退職というのは、もともと人間はそこまで長く生きることはなかったがゆえに65歳に設定されたのであって、そもそも今日の長寿時代には合わないのではないのでしょうか?
老後期間が長い、、どうしよう。
定年した後でまだまだ生きないといけない。お金はどうしよう。
多くの人が晩年の過ごし方ばかりに気をかけています。
そうやって老後の生き方ばかり考えている人が多いような気がするのですが
本当にそれでいいのでしょうか?
教育→仕事→引退のように、同世代が一斉行進し一斉後退する時代は終わり、多くの人が独自のキャリアを形成し生きていかなければならない時代になったように思います。
例えばOECDの加盟国の大学平均入学年齢は22歳です。日本は18歳で高校を卒業した後に、直接大学や専門学校に行く人がほとんどです。一方で、欧州の学生は高等教育を終了した後、直接進学せずに社会経験や旅行に行ったり、机上の勉強から一定期間距離を置いて、必要と感じた時に大学に戻ってくるケースが多いです。
どちらのキャリア形成が理想なのでしょうか?個人的には、すでに自分の夢や目標があってすぐにでも大学で勉強したいんだ、と感じる一部の学生を除いて、特に早急に進学する理由のない人は一度教育機関から離れてみるべきだと思っています。
仕事に関して言うと、従来の生き方では終身雇用や、少しでも長く同じ会社にいることが価値であるとみなされていた悪しき風潮が日本には確かにありましたが、もうそういう社会ではなくなりました。仕事をして頭打ちになったら大学に戻ったり、異なる業種の仕事に転職したりということがすごく大事になってきました。
人間一人が出来ることは限られているのですが、それでも一人一人の能力やスペックが人によって大きく違うようになってくると思います。
そういう時代には何が大事なのかというと、まずは無形資産を大事にすることです。ここでいう無形資産とは、人脈や知識や健康などのことです。
人脈とはどんな人間でもとりあえず関わる人間の幅を増やすということです。自分と異なる人や、自分よりも少し前に進んでいる人と会い、無限に吸収することで得られることは多いです。
知識とは例えば読書をすることです。すでにある自分のアイデアに知識を加えればそれが知恵に変わります。その知識の蓄積方法として、人に会ったり、本を読んだりすることは重要だと思います。私の友人でもある程度本を読んでいる人は、生きている過程で様々な問題に直面したとしても動揺せず、解決する解決策を多く持っている気がします。また吸収も早いです。
健康でいることもとても大事です。例えば私は年に2、3回無理矢理にでも時間を作り旅行に行くようにしています。行き先はその時のフィーリングで決め、これまでアフリカやヨーロッパに行ってきましたが、やはり学生であれ社会人であれ、旅行に行くことはすごく大事だと思います。旅行に行く目的は何でもいいです。美味しい食べ物が食べたい、世界遺産を見た、多文化を感じたい、どんな目的であれ、旅行前には想像もしていなかった出会いや発見があります。そのような”知”は旅行を通じてのみでしか得ることができません。
今日の、複雑で生きにくい社会であるからこそ、自分で考え生きていく必要があるように思います。そこに大学が必要であれば行けばいいし、必要でなければ行かなくても良いし、大学といっても日本である必要はないし、別に通信制でも全然良いのです。
今の時代に一番ダメなのは、自分の芯を持たずに周囲に流されることだと思います。
私たちは単に長く生きられるようになったのではなく
健康に長く生きられるようになったのです。
ですので、従来のキャリアの考え方に疑問を抱き、自分の人生に自分だけのキャンパスを描く必要があります。
リスクを負わない生き方が一番のリスクある生き方なのでしょう。
そして何よりも”楽しく生きる”を忘れてはいけないと思います。
時間を無駄にせず、周りには謙虚に、無形資産を大切に生きていきたいです。