Nextepisode’s blog

院生(M1) 専門-開発経済/国際関係

民主主義の限界

 

‪大衆は無知で数字よりも感情を大切にしてしまうから正しい判断が出来ない。最も重要な政治的主題については国民投票をしようという声が上がらないのはそのためである。これは国の方向性を大きく決める政策に反映される国民の意思の比重高ければ、国がうまく機能しなくなるという懸念からである。ある程度経済学を勉強してしまった人や、政治家や知識人と呼ばれる人間は、今の日本の社会に増税が必要なことはわかっている。だが増税を公約に掲げれば候補者はかなり高い確率で当選出来ない。大衆は増税をしなければ日本の社会が今後崩壊していくことを知らない。増税をすることによって受ける短期的で狭い範囲での痛手にしか目が向かない。従って増税はまた延期されるのだ。以前にも言及したが、今の政治家と国民とを友好に結ぶ一本の糸は「増税は延期します」の一言のみである。もうこの言葉でしか政治家は国民の心を繋ぎ止めて‬おくことが出来ない。

 

政治家を含め一部の人間にしか真実がわからず、多くの大衆は真実を知らない。

 

ここに民主主義の限界がある。

 

しかしだ、原発が安全だと唱えたのは専門家であった。経済不況とデフレの中で公共投資を縮小すると却って逆効果であると素人でもわかるような政策を推し進めたのは民主党政権であった。

 

今の日本で無知なのはなにも大衆のみでない。支配エリートも無知なのだ。ここに民主主義の難しさが狭間見える。

 

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