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WTOにおける開発途上国の地位

 

トピック

 

WTOにおける開発途上国の地位

 

 

現在、WTOの加盟国の大多数は開発途上国である。それゆえ今のWTOにおける開発途上国の地位は高いと思われがちだが、実際は加盟している多くの開発途上国自由貿易の利益をはるかに上回る不利益を負っている。WTOの設立前は貿易障壁と差別的措置を廃止し、世界市場の統一を維持する目的でGATTが創設されていた。しかしGATTは先進国の工業製品という限定された範囲の中で自由貿易をするというものであり、そこに途上国は含まれておらず、途上国が貿易からの利益を得ることはなかった。そのような課題を克服すべく創設されたのがWTOである。だが上記でも述べたが、依然、開発途上国自由貿易から受ける恩恵は少ない。というのも加盟国の大半は途上国であるが、主要供給国は先進国が大半で、そこで途上国が期待しているが譲許の相互主義的交換によって関税交渉が行われるとき、先進国間の交渉の中に途上国の輸出品目が含まれ、一般的最恵国待遇に基づく波及効果により、その品目の関税が引き下げられることである。しかしながら、途上国が比較優位を持つ農業や衣類は自由化交渉の枠外に置かれており、先進国間で自由化交渉の対象となるのは主として、途上国が比較優位を持つとは思えない工業製品なので、途上国がこの一般最恵国待遇の波及効果による利益はそこまで大きなものではない。従ってWTOにおける開発途上国の地位は到底高いとは言えないのである。

 

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