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LGBTの権利や社会的な位置付けに関して。

 

トピック

 

LGTBの権利や社会的な位置づけに関して、アメリカ合衆国連邦最高裁判所が2015年6月に示した判断のもつ意義について。

 

2015年6月、アメリカ合衆国連邦最高裁判所同性婚を合法と認めた。これにより国内の50州全てで同性愛者の権利が保障され、これを受けオバマ大統領は「アメリカの勝利」だと力強く語った。民主主義を取るアメリカは個々の平等と自由が憲法上保障されているのだが、同性婚の権利に関して言えば、アメリカは厳たる立場を主張してきた。

 

アメリカの同性愛者に対する対応を俯瞰すると、1946年に定められたソドミー法で同性愛が警察に知られると罰金刑などが課せられ、同性愛者と警察との間で頻繁に衝突が起こった。 その後、緩やかだが着実に同性愛者がアメリカ社会に対して自らの存在を主張し、2004年、マサチューセッツ州において国内で初めて同性婚が認められた。2008年より大統領に就任したオバマ大統領は選挙時に「結婚は男女との間に行われるべき」だと主張した。だが4年後の2012年には心変わって「同性婚は認められるべきだ」と主張する。この4年間に国内で同性婚を容認する州が増えてきたことで、彼は同性愛に対する主張を変えざるをえなかったことが透けて見える。そしてついに2015年の6月に50州全ての州において同性婚が合法とされた。

 

他国の同性婚に対する立場をみてみると、ヨーロッパではオランダを筆頭に11カ国が、南米ではブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの3か国が、アフリカでは南アフリカの1ヶ国が、それ以外にメキシコやニュージーランドなどで同性婚が認められている。これらの国々でもアメリカと同様、同性婚を認める者と、認めない者との間で軋轢を経験してきた。だが時代の変化とともに賛成派の主張が重んじられてきたのである。

 

一方で依然として大多数の国々では同性婚が法律違反になっている。厳格なイスラム国家では、同性婚は死刑となる。ブルネイでは石打ちの刑、イランでは斬首刑、北朝鮮では公開処刑にまでなる。2017年5月にはインドネシアで男性同性者同士の性交が見つかり、公開で80回の鞭打ちの刑が科せられている。このような国では宗教の色が濃く、宗教的に同性者に対しての妥協が例外なく認められておらず、同性婚を容認する国々から非難の声が絶たない。

 

アメリカという世界的にも強力な影響力を持つ国で同性婚が認められると、その余波は国境を越えて世界中に広がる。我が国日本でも、オバマ大統領が行ったスピーチの全文が日本語訳され、ネットやSNSを中心に多くの人の関心を集めた。前途でも述べたが、アメリカは自由を尊重する国である。また、多くの国でも人間一人一人の尊厳や主張が重んじられるべきだという主張が先行する。多く国々で当たり前に与えられるべきはずの最低限の権利が侵されていることに疑問を投げかけ、それが紛争や衝突を引き起こしている今日において、アメリカという最も影響力のある国で人間として与えられるべき権利が認められたことで、今後、世界中で同性婚を認める運動は疑いなく活発になるだろう。

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